「NordVPNは危険って本当?」――VPNを検討していると、そんな声を目にして不安になった方も多いのではないでしょうか。
実際にNordVPNは世界的に人気のあるVPNサービスですが、過去にサーバー侵入事件が報じられたこともあり、「本当に安全なのか」「個人情報が漏れたりしないのか」と疑問を抱くユーザーが少なくありません。
この記事では、NordVPNが危険と言われる理由や過去の事例を整理したうえで、現在のセキュリティ体制や信頼性について徹底解説します。また、他社VPNとの比較や、安全に利用するためのポイントについても解説します。
VPN選びで迷っている方や、NordVPNの安全性を確認したい方はぜひ参考にしてください。
NordVPNは危険?そう言われる理由

インターネット上で「NordVPNは危険」と言われるのには、いくつかの背景があります。ただし、その多くは誤解や過去の事例に由来するものです。ここでは代表的な理由を整理してみましょう。
無料VPNと混同されやすい
「VPN=危険」というイメージを持つ方も少なくありません。
特に無料VPNサービスの中には、ユーザーの通信データを収集・販売したり、マルウェアが仕込まれているものも存在します。
そのため「VPNを使うと情報が盗まれるのでは?」という漠然とした不安が広がり、NordVPNのような有料サービスにも一括して「危険」というレッテルが貼られることがあります。
過去のサーバー侵入事件
2018年、NordVPNの一部サーバーが不正アクセスを受けたことが報じられました。
この事件が「NordVPNは危険なのでは」という噂を広げるきっかけになりました。幸い、この時に利用者の個人情報が漏洩したわけではなく、すぐに問題のサーバーは閉鎖されましたが「一度でも侵入された」という事実が利用者の不安を増幅させたのは確かです。
運営会社や所在国への疑念
NordVPNはパナマに本社を置いています。パナマはインターネット利用者のプライバシー保護に有利な国とされますが、「なぜパナマなのか」「法的に安全なのか」といった疑問を持つ人もいます。
実際には情報保持の義務がなく、むしろユーザーにとってはプライバシーが守られやすい環境ですが、透明性を疑問視する声も一定数あります。
違法利用と結びつけられるイメージ
VPNは匿名性が高いため、一部のユーザーが違法ダウンロードや規制回避に利用するケースもあります。
そのため「VPN=危険なツール」という印象を持たれることがありますが、これはあくまで利用者側の使い方の問題であり、NordVPN自体の安全性とは別問題です。

NordVPNが「危険」と言われる理由は 無料VPNとの混同・過去の事件・所在国への誤解・違法利用のイメージ によるものです。これらは必ずしも「現在のNordVPNが危険」という意味ではありません。
NordVPNの過去の事件:サーバー侵入問題


「NordVPNは危険なのでは?」と言われる最大の理由が、2018年に発生したサーバー侵入事件です。VPN業界でも大きな話題となり、多くのユーザーが不安を抱きました。では実際に何が起きたのでしょうか。
事件の概要
2018年、フィンランドに設置されていたNordVPNの1台のサーバーに、不正アクセスが行われました。攻撃者はサーバー運営会社の管理システムの脆弱性を突いて侵入したとされています。
利用者への影響は?
大きな不安を呼んだ事件でしたが、実際には ユーザーのアカウント情報や通信データが流出した事実は確認されていません。
侵入されたサーバーにはユーザーのログが保存されておらず、暗号化された通信そのものも解読されませんでした。そのため、「被害が拡大した」というよりも「潜在的なリスクが明らかになった」事件といえます。
公表が遅れた理由
この事件が特に批判を受けたのは、発生から約1年後に公表された点です。
NordVPNは「調査を徹底した上で発表した」と説明しましたが、ユーザーからは「なぜもっと早く知らせなかったのか」という不信感が広がりました。
この遅れが「NordVPNは信用できないのでは」というイメージを強めたのです。
その後のセキュリティ強化策
事件後、NordVPNは以下のような対策を講じました。
- すべてのサーバーをRAM専用化(データをディスクに残さず、自動的に消去)
- 外部セキュリティ監査を複数回実施
- バグ報奨金制度(バグバウンティ)の導入
- セキュリティ企業との提携強化
これらの施策により、同様の事件が再発しないような体制が整えられています。



まとめると、2018年のサーバー侵入は確かに不安を与える出来事でしたが、ユーザーデータの漏洩はなく、その後の対応でセキュリティは以前よりも強化されたといえます。
NordVPNの安全性と信頼性はどうか


2018年のサーバー侵入事件以降、NordVPNはセキュリティ体制を大幅に強化してきました。では現在のNordVPNは、安全で信頼できるサービスといえるのでしょうか。
ノーログポリシーと第三者監査
NordVPNは「ノーログポリシー」を掲げており、ユーザーの通信内容や閲覧履歴を一切記録しないと明言しています。
このポリシーは独立した外部監査法人(PwCなど)による監査を複数回受けており、「ログを保存していないことが確認された」 という結果が公表されています。これはユーザーにとって大きな安心材料です。
本社がパナマにあるメリット
NordVPNはパナマに本社を置いています。
パナマはデータ保持法(通信記録の保存を義務付ける法律)が存在しない国であり、政府や第三者から利用者情報の提出を強制されるリスクが極めて低いとされています。
「なぜパナマなのか?」と疑問を持つ人もいますが、実際にはプライバシー保護の観点で有利に働いているのです。
強力な暗号化技術と最新プロトコル
NordVPNはAES-256という軍事レベルの暗号化を採用しています。
さらに、従来のOpenVPNやIKEv2に加え、より高速かつ安全性の高い WireGuardベースの「NordLynx」 を提供しています。
これにより、セキュリティと通信速度を両立させることが可能になりました。
セキュリティ機能の充実
NordVPNは単なるVPN接続にとどまらず、以下のような機能を備えています。
- キルスイッチ:VPNが切断された際に通信を遮断し、IPが漏れるのを防ぐ
- ダブルVPN:2つのサーバーを経由してさらに匿名性を強化
- Threat Protection(脅威対策):広告やトラッカー、悪意のあるサイトをブロック
これらの機能により、ユーザーは高いレベルのセキュリティを維持しながらインターネットを利用できます。



まとめると、NordVPNは 「ノーログポリシーの徹底」+「外部監査」+「強力な暗号化と先進的な機能」 によって、安全性と信頼性を確立しているといえます。過去の事件を教訓に、むしろ現在は業界の中でもトップレベルのセキュリティを誇るVPNサービスです。
NordVPN利用時に考えられるリスク


NordVPNはセキュリティ面で高い評価を得ていますが、利用する際にはいくつかのリスクや注意点も存在します。ここでは主なポイントを整理します。
違法利用に伴うリスク
VPNを使うことで匿名性が高まるため、違法ダウンロードや著作権侵害に利用されるケースもあります。
しかし、これは当然ながら違法行為であり、発覚すれば法的な責任を問われる可能性があります。NordVPN自体が「危険」なのではなく、利用者の行為がリスクを招く という点に注意が必要です。
一部サービスでのVPNブロック
NetflixやAmazon Prime Videoなど、国ごとの配信制限があるサービスでは、VPN経由のアクセスがブロックされる場合があります。
NordVPNは比較的回避性能が高いものの、常に100%利用できるわけではなく、突然接続できなくなることもあります。これにより「VPNを契約したのに使えない」と感じるユーザーもいるでしょう。
通信速度の低下
VPNを利用すると必ずVPNサーバーを経由するため、どうしても通信速度が低下します。
NordVPNは高速な部類に入りますが、利用環境や接続する国によっては「動画が止まる」「大容量データのダウンロードが遅い」と感じることがあります。
特にWi-Fi環境が不安定な場合や、遠距離サーバーに接続した場合には速度低下が顕著になることがあります。
設定を誤った場合のリスク
VPNを正しく設定していないと、本来守るべき情報が漏洩してしまう可能性があります。
たとえばキルスイッチをオフにしていると、VPNが切断された際にIPアドレスが晒される危険性があります。つまり、設定や機能を正しく使いこなすことが安全利用には不可欠 です。
まとめると、NordVPN自体のセキュリティに大きな問題はありませんが
- 違法利用
- サービス側のVPNブロック
- 通信速度の低下
- 設定ミスによる情報漏洩
といった要因でリスクを感じるケースはあります。正しい理解と利用方法が重要です。
他社VPNとの比較から見る安全性
VPNを選ぶ際は、ひとつのサービスだけでなく、他社と比較することでその特徴や強み・弱みがより明確になります。
ここでは代表的なVPNサービスである ExpressVPN と Surfshark を例に、NordVPNの安全性を比較してみましょう。
ExpressVPNとの比較
- セキュリティレベル
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ExpressVPNは独自の「TrustedServer技術」を導入し、すべてのサーバーをRAM専用で運用しています。これはNordVPNが事件後に導入したRAM専用サーバーと同様で、データを残さない仕組みです。
両社とも第三者監査を実施しており、セキュリティに関してはほぼ同等レベルといえます。
- 速度と安定性
-
ExpressVPNは安定性に定評があり、世界的に高評価を受けています。NordVPNもWireGuardベースの「NordLynx」で大幅に高速化しており、実際の使用感ではExpressVPNに引けを取りません。
- 価格面
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ExpressVPNはやや割高で、NordVPNの方がコストパフォーマンスに優れています。
Surfsharkとの比較
- セキュリティレベル
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Surfsharkもノーログポリシーを掲げ、すべてのサーバーをRAM専用で運用しています。さらに独立した外部監査を受けており、透明性の高さはNordVPNと同等といえます。
ただし、セキュリティ機能の豊富さではNordVPNに軍配が上がります。NordVPNには ダブルVPN や Onion over VPN、広告やマルウェアをブロックする Threat Protection など、より多層的な保護機能が備わっています。
- 速度と安定性
-
Surfsharkは近年WireGuard対応を進め、速度面では大幅に改善しています。日常的な利用で不便を感じることはほとんどありません。
しかし、サーバーの数やグローバルな分布、接続の安定性ではNordVPNが一歩リードしています。特に長距離接続や動画配信サービスの回避性能で差が出る場合があります。
- 価格面
-
Surfsharkは業界内でも屈指の低価格を誇り、長期契約プランではNordVPNより安価に利用できます。複数デバイスの利用制限がなく、1契約で無制限に同時接続できる点も大きな魅力です。
一方でNordVPNは最大10台までの接続制限がありますが、セキュリティ機能や高速通信の点では料金に見合う価値があります。
総合的な評価
- セキュリティ:どちらも高水準。ただし機能の充実度はNordVPNが優勢。
- 速度と安定性:どちらも十分速いが、長距離接続や配信回避ではNordVPNがやや上。
- 価格:Surfsharkが安価で無制限接続も可能。コスト重視ならこちらが有利。



まとめると、Surfsharkは「低価格・無制限接続」を武器にしたコスパ重視のVPN、NordVPNは「機能と安定性に優れた総合力重視のVPN」といえるでしょう。
安心してNordVPNを使うためのポイント


NordVPNは高い安全性を備えていますが、ユーザー側の設定や使い方によってリスクを減らし、さらに安心して利用することができます。ここでは、安全に使うための具体的なポイントをまとめます。
正規ルートで契約・ダウンロードする
VPNは公式サイトや正規のアプリストアから契約・ダウンロードすることが大前提です。非公式の販売サイトや割引コードを装った偽サイトを利用すると、個人情報を盗まれる危険があります。必ず公式のルートを利用しましょう。
キルスイッチを有効化する
NordVPNには「キルスイッチ機能」があり、VPN接続が切れたときにすぐ通信を遮断してIPアドレスが漏れるのを防ぎます。特に公共Wi-Fiを利用する際には必ず有効にしておくことで、予期せぬ情報漏洩を防げます。
高セキュリティ設定を活用する
- ダブルVPN:2つのサーバーを経由することで匿名性を強化
- Onion over VPN:Torネットワークと組み合わせ、さらに高度なプライバシー保護
- Threat Protection:広告・トラッカー・マルウェアサイトをブロック
これらを必要に応じて活用することで、通常のVPN接続よりも高いセキュリティを確保できます。
公共Wi-Fiでは必ずVPNを利用する
カフェや空港などのフリーWi-Fiは、盗聴やなりすまし攻撃のリスクが高い環境です。NordVPNを有効にしてから接続することで、安全にインターネットを利用できます。
最新バージョンを保つ
アプリやクライアントソフトは常に最新版にアップデートしましょう。セキュリティ上の脆弱性が修正されることも多いため、アップデートを怠ると不要なリスクを抱えることになります。
まとめると、NordVPNを安心して使うためには 「正規ルートでの契約」「キルスイッチの有効化」「セキュリティ機能の活用」「公共Wi-Fiでの徹底利用」「最新バージョン維持」 がポイントです。



これらを実践すれば、NordVPNをより安全に活用できます。
まとめ:NordVPNは危険ではなく、安全に使えるサービス
「NordVPNは危険?」という疑問は、過去のサーバー侵入事件やVPN全般への誤解から広がったものです。
確かに2018年に一部サーバーが不正アクセスを受けた事実はありますが、ユーザーデータの漏洩はなく、その後NordVPNは RAM専用サーバーの導入、外部監査の実施、セキュリティ強化策 を徹底してきました。
現在のNordVPNは、
- ノーログポリシーの徹底と第三者監査
- 軍事レベルの暗号化と最新プロトコル(NordLynx)
- キルスイッチやダブルVPNなど多彩なセキュリティ機能
といった点から見ても、業界トップクラスの安全性を誇るサービスです。
もちろん、違法利用や設定ミス、サービス側のVPNブロックといったリスクは存在しますが、これはNordVPN固有の問題ではなく、VPNを使う上で誰にでも起こりうる注意点です。正しく理解し、機能を適切に活用すれば、NordVPNは安心して利用できるツールとなります。



結論として、NordVPNは「危険なサービス」ではなく、オンラインプライバシーを守るために信頼できるVPNのひとつ です。安全にインターネットを利用したい方にとって、有力な選択肢になるでしょう。
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